財務諸表(決算書)の見方~株初心者が読めるように大まかな内容を解説

財務諸表(決算書)の見方~株初心者が読めるように大まかな内容を解説

財務諸表(決算書)の見方がわからないという人に向けて、大まかな内容を解説します。

財務諸表は株式投資の大事な情報源ですから、特に株初心者は必要最低限のことだけでも理解できるようにしましょう。

財務諸表とは?

財務諸表は一定期間の企業の経営成績や財務状況を、利害関係者に報告するために作成する書類のことです。

簡単なものに例えると、会社の家計簿のようなものをイメージしてみてください。

財務諸表は決算書と呼ばれ、中間決算と本決算の年2回の発表が基本です。

  • 中間決算…半年間の会社の成績
  • 本決算…一年間の会社の成績

また、3ヶ月に一度(年4回)決算短信という上場会社の決算発表を簡易的にまとめた書類が公開されます。

決算短信は直近3ヶ月間の会社業績を知ることができますから、現状を把握するのに大切な情報です。

決算短信の業績と前期の業績を比べれば、今の経営状態が好調か不調か、すぐにわかります。

これらの情報を見るためには、会社のホームページにアクセスして、投資家向けの情報としてIR情報から閲覧することが可能です。

誰でも無料で閲覧できますので、会社の経営状況を確認するためにもチェックしてみてください。

決算書が読めれば会社の現状分析ができますので、投資判断を左右する重要な参考資料といえるでしょう。

ただし決算書は専門用語が多くて、特に株初心者の方は意味がわからないと思う人もいるかもしれません。

株初心者が決算書の数字を理解するために全部覚えようとすると大変なことになりますから、はじめは無理せず必要最低限のことだけチェックすることをおすすめします。

財務諸表の中で、貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書の3つは四季報と関連する数字が記載されていますので、はじめに理解しましょう。

貸借対照表とは?

…会社の財産と借金の状態をあらわします。

損益計算書とは?

…会社がどれだけ儲かったか(損したか)経営成績をあらわします。

キャッシュフロー計算書とは?

…会社にある現金の流れをあらわします。

ラーメン屋の経営をシミュレーションしてみよう

財務諸表の貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書を解説するために、ひとつの物語をつくりました。

自分(A)がラーメン屋を開業する場合を仮定して、物語に沿ってシミュレーションしてみましょう。

ラーメン屋の経営をシミュレーション

貸借対照表をつくってみる

ラーメン屋を開業するために最初は資金集めが必要です。

開業資金として400万円を自分(A)で用意して、不足分を知人(B)から200万円(出資)を資金調達して、さらに銀行から400万円借り、合計1,000万円で起業することになりました。

  • 資産(開業資金)…1,000万円
  • 負債(銀行から借金)…400万円
  • 自己資本(純資産)…600万円
    (株主から集めたお金…自分A 400万円+知人B 200万円)

このお金の流れを貸借対照表であらわします。

資産

現金1,000万円
(開業資金)

負債

銀行から借金400万円

自己資本

純資産600万円
(A 400万円)
(B 200万円)

合計 1,000万円 合計 1,000万円

右側をみれば、資金をどのように集めたかがわかり、左側をみればそれをどのように保有しているかがわかります。

表の右側の数字の合計と左側の数字の合計が同じになりますので、貸借対照表はバランスシートと呼ばれています。

この表をみれば、会社の財産と借金の状態が簡単に理解できますね。

Aはテナントを借りてラーメン屋を開くことになりましたが、その前に店舗の内装工事を行い、備品を購入しました。

内装工事に200万円、備品に100万円支払っています。

  • 建物付属設備(内装工事)…200万円
  • 備品…100万円

このお金の流れを貸借対照表であらわします。

資産

現金700万円

建物付属設備 200万円
備品 100万円

負債

銀行から借金400万円

自己資本

純資産600万円
(A 400万円)
(B 200万円)

合計 1,000万円 合計 1,000万円

前の貸借対照表と比べれば現金が減り、資産として建物付属設備と備品が新たに加わったことがわかると思います。

損益計算書をつくってみる

Aはラーメン一食の販売価格を600円に設定して、ラーメン屋をオープンしました。

(1年経過…)

ラーメン屋をオープンして1年が過ぎ、1ヶ月あたりの販売実績は2,000食で、年間24,000食の販売実績となりました。

1年間の売上をチェックします。

1年間の売上を計算
1食600円×24,000食
=1,440万円(売上)

売上高…1年間で商品が売れた数字を表します。

売上高 
(単位:万円)

売上高 1,440

1年間の売上高がわかりましたが、1,440万円の売上すべてが「儲け」というわけではありません。

ラーメン1食あたり200円の材料費がかかっています。

1年間の材料費を計算
1食200円×24,000食
=480万円(材料費)

売上原価…商品をつくるときにかかる材料費などの費用を表します。

売上原価 
(単位:万円)

売上原価 480

売上高から売上原価を引いた数字が「売上総利益」になります。

売上総利益は粗利と呼ばれ、会社の大まかな利益を確認するときにチェックする数字です。

ラーメン屋の場合、売上高1,440万円から売上原価480万円を引いた数字が売上総利益になります。

1年間の売上総利益を計算
1,440万円(売上高)- 480万円(売上原価)
=960万円(売上総利益)

損益計算書 
(単位:万円)

売上高 1,440
 売上原価 480
売上総利益 960

このように一定期間の儲け(経営成績)がわかるように作成する書類を損益計算書といいます。

1年間の売上総利益がわかりましたが、ラーメンを販売するための営業活動にかかる費用は、材料費だけではありません。

アルバイトを雇っていましたので、給料や水道光熱費、割り箸やお皿などの消耗品の費用がかかっていました。

  • アルバイト給料…120万円(1ヶ月10万円)
  • 水道光熱費…60万円(1ヶ月5万円)
  • 消耗品費…8万円

合計188万円

このように会社の営業活動にかかる費用の中で、売上原価以外にかかる費用を「販売費及び一般管理費」といいます。

販売費及び一般管理費
(単位:万円)

給料 120
水道光熱費 60
消耗品費 8
合計 188

営業利益とは?

会社の営業活動から得られる本業の儲けが営業利益です。

「売上総利益」-「販売費及び一般管理費」=「営業利益」

ラーメン屋の場合、売上総利益960万円から販売費及び一般管理費188万円を引いた数字が営業利益になります。

1年間の営業利益を計算
960万円(売上総利益)-188万円(販売費及び一般管理費)
=772万円(営業利益)

これまでの数字を損益計算書で整理
(単位:万円)

売上高 1,440
 売上原価 480
売上総利益 960
 販売費及び一般管理費 188
営業利益 772

また、起業するときに銀行から400万円借りていますが、その利息を支払う必要があります。

400万円の借金を金利3%で計算すると、利息は年間12万円です。

銀行への支払利息は「営業外費用」になります。

営業外費用…営業活動以外に関わる費用をあらわします。

経常利益とは?

営業利益に本業以外の損益を含めたものが経常利益です。

本業以外の損(営業外費用)は、支払利息や有価証券の売却損などをいい、本業以外の収益(営業外収益)は受け取り利息や配当収入などが当てはまります。

ラーメン屋の場合、営業利益772万円に銀行への支払利息12万円(営業外費用)を引いた数字が経常利益です。

1年間の経常利益を計算
772万円(営業利益)-12万円(支払利息)
=760万円(経常利益)

これまでの数字を損益計算書で整理
(単位:万円)

売上高 1,440
 売上原価 480
売上総利益 960
 販売費及び一般管理費 188
営業利益 772
 営業外費用 12
経常利益 760

1年間の経常利益を計算しましたが、その経常利益に対して法人税がかかります。
※会社ごとに税率は異なりますが、大体40%位です。

1年間の法人税を40%で計算
760万円×0.4
=304万円(法人税)

当期純利益とは?

1年間の利益から法人税など利益にかかる税金を引いたものが当期純利益です。

経常利益から法人税を引いた数字で「最終的な儲け」をあらわします。

ラーメン屋の場合、経常利益760万円から法人税304万円を引いた金額が当期純利益になります。

1年間の当期純利益を計算
760万円(経常利益)-304万円(法人税)
=456万円(当期純利益)

これまで売上高からいろいろな費用を引いてきましたが、ラーメン屋の最終的な儲け(当期純利益)は456万円です。

損益計算書
(単位:万円)

売上高 1,440
 売上原価 480
売上総利益 960
 販売費及び一般管理費 188
営業利益 772
 営業外費用 12
経常利益 760
 法人税 304
当期純利益 456

以上、損益計算書を解説しましたが、上の数字からどんどん数字を引いて計算することがわかると思います。

ちなみに、これまで一例として業績数字の単位を「万円」であらわしましたが、四季報の業績数字の単位は「100万円」です。

営業利益・経常利益・当期純利益の意味の違い

売上高
…一定期間に売れた総額

↓ ↓ ↓

売上高から営業活動に関わる費用(売上原価・販売費及び一般管理費など)を引く

↓ ↓ ↓

営業利益
…本業の儲け

↓ ↓ ↓

営業利益から営業外費用(支払利息など)を引く
(営業外収益があるなら、それを足す)

↓ ↓ ↓

経常利益
…本業以外の損益を含めた数字

↓ ↓ ↓

経常利益から法人税(40%)を引く

↓ ↓ ↓

当期純利益
…最終的な儲け

3種類のキャッシュフロー

キャッシュフロー計算書は、3種類のキャッシュフローによって会社にある現金の流れをあらわしています。

営業活動によるキャッシュフロー(営業CF)

営業CFは現金を基準にした本業の収入と支出の差額をあわらします。

ラーメン屋の場合、当期純利益の456万円が営業CFです。

ラーメン屋の営業活動によるキャッシュフロー 456万円

営業CFがプラスなら、本業が上手くいっていることになり、逆にマイナスなら本業で苦戦して現金が減っていることになります。

連続して営業CFがマイナスの場合は危険ですので、注意が必要です。

投資活動によるキャッシュフロー(投資CF)

投資CFは土地や建物、機械などの固定資産や株・債権などの取得による支払いと、それらを売却したときの現金の流れをあらわしています。

店舗の土地・建物の購入代金や商品の仕入れ、店内の設備にかかった現金が当てはまります。

ラーメン屋の場合、開店準備に行った内装工事の200万円と備品代100万円が投資CFです。

ラーメン屋の投資活動によるキャッシュフロー -300万円

固定資産を購入するなど設備投資は、営業活動に必要な支払ですから投資CFはマイナスになることが多いです。

逆に投資CFがプラスになると、固定資産や株を売却した金額が設備投資の支払い額を上回ることを意味します。

財務活動によるキャッシュフロー(財務CF)

財務CFは資金調達による収入と、その返済による支出の差額をあらわします。

現金の不足分を銀行から借りて補う場合、その資金調達分はプラスになり、銀行の借金を返済するとマイナスになります。

ラーメン屋の場合、自己資本600万円(自分400万円+知人200万円)と銀行から借金400万円が資金調達による収入で、財務CFはプラス1,000万円になります。

ラーメン屋の財務活動によるキャッシュフロー 1,000万円

積極的に事業を拡大する成長企業は借金などの資金調達が多くなりますので、プラスになりやすいです。

ラーメン屋のキャッシュフロー計算書

(単位:万円)

営業CF 456
投資CF ▲300
財務CF 1,000

▲はマイナスをあらわします。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする